綿花相場の定点、2回目です。前回は「高値圏で横ばい」と書きました。今回は、その横ばいが終わりました。
8月1日時点のNY綿花先物は81.79セント/ポンド。前回確認した7月24日の79.89セントから、+1.90セント、率にして+2.38%。当日の値動きも+1.39%と、上方向にはっきり動いています。
この数字が意味するのは、レンジの上抜けです。7月は79〜81セント台での小刻みな往復が3週続いていました。その上限を超えて、81セント台に定着しつつあります。
期間を広げると、月間で+6.06%、前年同月比では+27.02%。1年前と比べて3割近く高い水準にいます。
何が動かしているか
報じられている要因は、上下の両方向に分かれています。
上げ要因として、インドの作付面積が前年比4%減っていること。下げ要因として、ブラジルの記録的な輸出量と、世界全体では供給が足りているという見通し。加えて、原油価格の低下がポリエステルの競争力を高めていることも、綿花の上値を抑える材料として挙げられています。
インドではモンスーンの雨が戻り、遅れていた作付けが進んだと伝えられています。天候不安がひとまず和らいだ形ですが、面積そのものが減っている事実は残ります。
原料高は、どこに出るか
ここからは、この数字が実務にどう効くかの話です。
結論から言えば、ダイレクトに価格に反映されます。
大きな会社であれば、在庫を厚く持ったり、為替や商品先物である程度ならしたりと、緩衝材を挟むことができます。私たちのような規模のコンバーターには、その余地があまりありません。原料が上がれば糸が上がり、糸が上がれば生地が上がる。あいだで吸収できる幅が狭い。
前回、「相場を見て仕入れのタイミングを計ることは実際にはあまりできない」と書きました。需要があって、それに合わせて作るからです。タイミングを選べないうえに、緩衝材も薄い。だからこそ、水準そのものを把握しておくことに意味があります。上がっている局面では、それが数ヶ月後にどこへ効いてくるかを、あらかじめ見込んでおく必要があるからです。
言い換えると、この定点観測は「安く買うため」のものではありません。値段の話をお客さまとするときに、根拠のある数字を持っておくためのものです。
来週も同じ場所を見ます
3割高い水準が定着するのか、それとも一時的な上振れで戻るのか。判断は来週以降の数字に委ねます。
数値は2026年8月1日時点のNY綿花先物(Trading Economics・8月2日更新)。単位はセント/ポンド。
