一般的なデニムの多くは、綾織り(ツイル)で織られています。しかし同じツイルでも、綾目の方向や組織の組み方によって、見た目、手触り、ねじれの出方、色落ちの表情は大きく変わります。

本記事では、右綾、左綾、ブロークンツイルの違いを整理しながら、ALLBLUE が素材企画でどのように織り組織を捉えているかをご紹介します。

綾織りの基本

綾織りとは、経糸と緯糸が規則的にずれながら交差し、表面に斜めの綾目が現れる織り方です。デニムでは、経糸が表に多く出る 3/1 綾が代表的な組織として使われています。

綾目の方向は、一見すると小さな違いに見えます。しかし実際には、生地の硬さ、ドレープ、色落ち、洗濯後のねじれにまで関わる重要な設計要素です。

右綾(ライトハンドツイル / RHT)

右綾は、表面の綾目が右上がりに走る組織です。デニムでは最も一般的な組織の一つで、クラシックな 5 ポケットジーンズやワークウェアに広く使われてきました。

右綾のデニムは、比較的しっかりとした硬さと構築感が出やすい傾向があります。着用を重ねることで、ヒゲ、ハチノス、アタリといったコントラストのある色落ちが出やすく、伝統的なジーンズらしい表情を作りやすい組織です。

Levi’s 501 などは、右綾デニムの代表的な参照例としてよく知られています。

左綾(レフトハンドツイル / LHT)

左綾は、表面の綾目が左上がりに走る組織です。右綾に比べて、柔らかく滑らかな手触りが出やすいとされます。

糸の撚り方向と綾目の方向の関係によって、生地が穿き込みや洗いでほぐれやすく、比較的なじみのよい風合いになりやすいのが特徴です。色落ちは、右綾のような鋭いコントラストよりも、ややフラットで均一な表情になりやすい傾向があります。

Lee のジーンズは、左綾デニムの代表的な参照例として語られることが多くあります。

ブロークンツイル(Broken Twill / BT)

ブロークンツイルは、右綾と左綾の方向を途中で切り替え、連続した斜めの綾目をあえて断ち切った組織です。表面にはジグザグ状のような独特のリズムが現れます。

綾目の方向を一方向に固定しないため、生地に発生するねじれを抑えやすいのが大きな特徴です。洗濯や着用を重ねたときに、脚のねじれを少なくしたいワークウェアやウエスタンウェアの文脈で採用されてきました。

Wrangler のジーンズは、ブロークンツイルの代表的な参照例としてよく知られています。

比較するとどう違うか

  • 右綾(RHT):しっかりした風合い、クラシックなデニム表情、コントラストのある色落ち
  • 左綾(LHT):柔らかく滑らかな風合い、なじみやすさ、比較的フラットな色落ち
  • ブロークンツイル(BT):ねじれを抑えやすい構造、ジグザグ状の組織感、不規則な色落ち表情

組織選びは、キャラクター設計の一部

右綾、左綾、ブロークンツイルの違いは、単なる見た目の違いではありません。生地を触ったときの硬さ、製品になったときのシルエット、穿き込んだ後の色落ち、洗い後のねじれ方にまで影響します。

そのため、織り組織は糸番手、オンス、染色方法、織り密度、仕上げ加工と合わせて考える必要があります。

ALLBLUE の提案

ALLBLUE では、右綾、左綾、ブロークンツイルをはじめ、プロジェクトの目的に応じた多様な織り組織をご提案しています。

「クラシックなジーンズらしさを出したい」「柔らかくなじむデニムにしたい」「ねじれを抑えたワークウェアを作りたい」など、ブランドが求めるイメージを、織り組織、糸、オンス、染色、仕上げの仕様に落とし込んでいきます。

織り組織は、表には見えにくい技術要素でありながら、生地の最終的なキャラクターを大きく左右する設計判断の一つです。ALLBLUE では、その違いをサンプルで比較しながら、企画意図に合った素材選定をご一緒いたします。

右綾・左綾・ブロークンツイルのサンプル比較をご希望の方は、お問い合わせページ よりご連絡ください。