綿花相場の定点、3回目です。前回から3週間空きました。毎週見ると書いておきながらの空白で、少しばつが悪いのですが、その3週間で相場は大きく動いていました。

8月26日時点のNY綿花先物は88.34セント/ポンド。前回確認した8月1日の81.79セントから+6.55セント、率にして+8.0%。しかも8月20日には一時89.30セントまで上がりました。約2年4ヶ月——28ヶ月ぶりの高値です。

月間では+9.2%、前年同月比では+35.6%。前回「3割高」と書いた水準から、さらに一段上がったことになります。

何が動かしたか

報じられている材料は、供給側に集中しています。

まず、米国の作柄悪化。「良〜優」と評価される作付けの割合が、2週間で46%から38%に落ちました。干ばつと高温が続き、収量への懸念が強まっています。加えて、9月まで続くと見られるエルニーニョ。一方でブラジルの7月の輸出は前年比19%増と伸びており、上げ材料と下支え・上値抑えの材料が混在しています。

アナリストの間では、急ピッチで上がった分、利益確定売りに脆い局面だという見方も出ています。上がり方が速いときほど、戻りも速いことがある。ここは前回までの「じわじわ」とは、質の違う動きです。

3週間、目を離すとこうなる

今回の空白で、皮肉なことに一つ分かったことがあります。週に一度の定点でも、3週間空けると「横ばい圏の上抜け」が「28ヶ月ぶり高値」まで進んでしまう。相場の速度は、こちらの都合に合わせてくれません。

原料が3割以上高い状態が定着すれば、数ヶ月遅れで糸に、そして生地に反映されてきます。前回書いたとおり、コンバーターには相場を見て仕入れのタイミングを計る余地があまりありません。需要に合わせて作るからです。だからこの定点は「安く買うため」ではなく、値段の話をするときに、根拠のある数字を持っておくためのものです。88セント台という水準は、その会話の前提が変わりつつあることを意味します。

来週も、同じ場所を見ます。

数値は2026年8月26日時点のNY綿花先物(Trading Economics)。単位はセント/ポンド。作柄・輸出に関する記述も同サイトの報道要約によります。