毎年春先になると、原綿の価格動向が繊維業界の話題に上ります。以前はその変動も比較的穏やかで、前年比数パーセントの範囲に収まることが多かった。ここ数年は、その振れ幅が明らかに大きくなっています。

綿花だけの話ではありません。染料、糊剤、糸、織機の部品、段ボール、運送費。個々の上昇幅は小さくても、積み上げると無視できない差額になります。

じわじわと進む値上がりは気づきにくい。しかし過去の伝票と比較すると、数年間で原価構造が大きく変わっていることに気づく場面があります。

産地全体のバランス

難しいのは、コスト上昇をどう生地価格に反映させるかという問題です。

長い取引関係があるほど、価格改定の話は切り出しにくい。しかし、卸が値上げを吸収し続ければ、やがてその負担は染め屋や仕上げ屋、職人たちに波及します。産地全体が持続するためには、どこか一箇所に無理を集中させない構造が必要です。

数字の裏側を伝える

大切なのは、数字の裏にある技術と手間の価値を、取引先に丁寧に伝えていくことです。なぜこの価格になるのか。どこにコストがかかっているのか。何を続けるための価格なのか。

すぐに解決する問題ではありませんが、産地の持続可能性に直結するテーマだと考えています。ALLBLUE は、価格の数字だけでなく、その背景にある工程と人の手間を、できる限り言葉にしてお伝えする立場でありたいと考えています。